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ブロンコビリーさん

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  • レビュー投稿数

    44

  • 参考になった割合

    83

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  • 主人公の性格が難物すぎて、魅力がわからないうちに1巻が終わった

    自分は弱いと思っているのに実は強いのか、何の才能もないといいながら全ての才能が平均的に高いのか、大した能力がないのに口先だけで強い仲間が集まって結果的に強いのか、自己紹介では自分に能力はないのに仲間が強いだけと言いながら、十分中堅以上の冒険者を手玉に取るくらいの実力を持っているようで、どうもしっくりこない。

    その上で、性格が怠惰でしかも自己中心的で、怖いものには土下座して立場が下の者には調子に乗って意地悪をする、自分の責任で受けた仕事まで自分ではせずに他人になすりつけるような典型的以上なクズ人間ときているので、ますますどこに共感しながら読めばいいのか混乱する。
    あるいは、この後になんらかの片鱗を見せる展開があるのかもしれないが、いやもう二度とこの主人公の顔は見たくないという思いが強すぎて、ちょっと無理。

    画力はすばらしいし、コマ割りやテンポもいいので、漫画家さんは災難だなあと思う。

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  • 生産職に焦点をあてたストーリーはいいが、神になったら元も子もない

    鋼の錬金術師以来、錬金術がバリバリの魔法戦闘職になってしまった感が強い中、研究・生産職として錬金術を扱う物語が出てきたことに嬉しくなりました。

    魔術師として駄目な主人公が紋章の適性を見直したら実は、という発想は、平凡な俺にもなにか取り柄があるはずだあってほしいと思う私のような凡夫にとって、とても夢のある話でかつ共感もしやすい導入部です。

    でも、ここをあまりにも簡単に流し過ぎているので、読者が夢の入り口に浸る余韻もなしに、いつものなろう系スーパー主人公が出来上がってしまって、これじゃあ最初からスーパー錬金術師の物語でよかったんじゃね?と思ってしまいます。
    適性のない紋章を刻み直したときに、はじめはなんの紋章かわからず、開拓の中でその正体が段々とわかってくる、くらいのペースだったら、もっと星が増えたと思います。

    それと、せっかく生産職という戦略級のスキルをチートにしたのですから、ついでに戦闘まで強くなって主人公が一騎当千になってしまっては、知恵を活かす人の物語ではなくなんでも解決する神の物語になってしまいます。
    さすがに、読者は神様には感情移入できません。

    あとこれはこの物語に限らずなので減点にはしていませんが、そろそろ、相手のレジストなど制限を受けない鑑定スキル・時間的物理的制約のない無限収納スキル・自分に起きていることを解説してくれる疑似AI音声スキル、のなろう系三種の神器には飽き飽きです。
    最近の主人公は当たり前のようにこのみっつの能力で俺sugeeeをするので、導入部が全部同じになってしまっていけません。そろそろ違うセンスオブワンダーをひねり出してもらいたいなあと思います。

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  • 不意を突かれたオモシロさ

    よくある有名政治家のカリカチュアをよくある異世界転移ものに被せたら化学反応でバカバカしくもワクワクする話になったという感じです。
    ストーリー的には、場当たり的に現れる動物を見るなり、ああ次はこうなるんだろうなあという読者の予想が生ぬるく当たり続けるだけの展開なんですが、それがまた妙にハマるとオモシロい。
    こういう出オチ漫画は画力が低いとストレスになるところ、十分クリアして余りある筆力のため、1巻収録話数の物足りなさだけが減点要因です。

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  • レミゼラブルのコゼットを思い出しながら

    主人公に降りかかる謂われない理不尽とときおり向けられる打算のない優しさのバランスが、5歳の幼児につきまとう殺伐としたネグレクトの世界を読者が見放さずについていけるギリギリの救いになっています。
    ぶっちゃけ、このぎりぎりの塩梅がないと、なんの庇護もない剥き出しの孤独を自覚していない主人公の道行きは、読むのが辛いレベルです。
    そこには、都合のいい寡黙な同行者や、チートな守護精霊などの出る幕のない、容赦のない孤独が続いています。

    スキルの星がないことがなぜここまで主人公を追い詰めるのか、テイムできたレアスライムが一晩で消えずに残留しているのはどういうことなのか、ときおり語り掛ける輪廻前の人生の記憶とは具体的になんなのか、知りたい謎は多くありますが、なによりも早くこの無情極まりない主人公の落ち着ける安住の地がどこかにないものか、そればかりが気になります。

    ただ、星には加味していませんが、タイトルがよくありません。
    ゴミ拾いの旅というから、某クライマー氏のようなヒマラヤゴミ拾いの旅的な、エコロジカルなロハスな話を想像しましたが、これはゴミを漁って生活の糧にしなければ野垂れ死ぬ旅でした。

    よくあるスライムのテイムもので、よくある主人公を追い込む世界の話ではありますが、物語も作画も白眉の出来です。必要以上に残酷には描かず、けれど過酷すぎる現実は十分描写しきっているそのバランスは特筆に値します。
    あまりの理不尽に感情が死んでしまった幼児の逞しさと儚さが、レミゼラブルのコゼットの挿絵を思い出させて、私の心を揺さぶります。


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  • なろう系異世界転生をホンモノの才能が手掛けるとこうなるという好例

    ヤクザがハイファンタジーの世界に転生したら、という近頃よくある着想を、堅実な知識の蓄積と圧倒的な画力で描き切った快作です。

    適当に想像で補った我流の社会論と自己肥大の鏡映しになった博愛主義でもって異世界を救う系のよくある異世界転生勇者の話の主人公を、縄張り(シマ)持ちの古いタイプの任侠(ヤクザ)にして、鼻持ちならない博愛主義を任侠のケジメに置き換えることで、所詮人助けも自己満足に過ぎないと喝破した上でやって見せる気っ風が、今風の器に旧来馴染みの酒を注いだようで気持ちいい作風にしています。

    まず、今の任侠が暴排条例によってどう社会に扱われているかを最初に語ることで、昨今よくある”用済みになった勇者が社会から排斥される”ことから始まる社会の形成期に必要だった暴力装置が疎まれて文明化の過程で抹殺される、いわゆる狡兎が死して走狗が烹られるストーリーをうまくなぞっていて、かなり突飛な導入部にすんなりと引き込まれます。

    主人公の性転換はおそらく趣味でしょうが、これも功を奏しています。
    やたら汗臭い男気で語られがちな任侠の世界観を、性別も男でやったらいかにも古臭く、マッチョで嫌見たらしい筋運びになってしまいがちです。
    それならば、中身は任侠外見は美少女でべらんめえさせた方がわかりやすい。

    異世界での悪徳を、現代の任侠の縄張りに蔓延る悪徳と重ねたのもうまいです。
    主人公がシャブのくだらなさを説く一席は、この巻の見せ場のひとつと言えましょう。

    任侠=反社と毛嫌いして、暴排条例を錦の御旗に裏社会の調整者を干上がらせて清潔な社会を目指すのも結構ですが、オタメゴカシの法律論で救えるのは濁りの少ない上っ面だけじゃないんですかという本論がいつ出てくるのか、初回にして既に圧倒的な画力とともに原案の方も大いに楽しみにしながら、次巻を待ちます。

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  • サブキャラ育成ではなく、仲間キャラ育成漫画として面白くなってきた

    主人公が自己を客観視できる大人であることは、メタな視点で言えば、作者がそうでなければ無理な話であって、その点この物語は1巻を読むだけでも充分クリアできているのが安心です。

    主人公が、才能を活かせずに腐りかけている人材を救い出して彼ら彼女らを育成するストーリーは、なにより主人公が大人であることが大前提です。
    口から放つ正論と自らの言動が楽をすることに流れている自己矛盾にすら気付かずに、仲間の世話を焼く転生譚のなんと多いことか。
    その点、本主人公はいささかオレサマプレイが鼻につきますが、中身はネトゲ廃人のまま自死した前世を自戒しており、そうさせた絶望に対する対抗心は、妙に拗ねてみせたり斜に構えてまともに向き合わない小狡さがなく、安心できます。

    この巻ではその主人公が新たに境遇に押しつぶされそうなふたりの仲間を手に入れます。
    タイトルのサブキャラとは、1巻時点では、ネトゲ上のメインキャラに対してのサブキャラでしたが、この巻からは主人公に対するサブ、つまり仲間たちを育成するダブルミーニングになってきていることがわかります。

    ちゃんとした適性を見つけて、その適正にあった努力を続ければ、道は拓ける。転生ものにありがちな、転生するときのボーナス能力のおこぼれで仲間を育ててあげる、なんて小狡いことではなく、適材適所に恵まれなかった絶望を経験した(と想像できる)前世を反省材料として、ダメキャラの救世主としてネトゲ世界で生きる主人公の王道の前向きさと真っ当さに、思わず応援をしたくなります。

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  • 主人公が振りかざす言行不一致のご高説が空しい

    無駄な死は見たくない。でも実験用に動物は殺す。
    仲間を死なせたくない。でも好奇心のために仲間の命を危険に晒す。
    親しい人が苦しまない世を作りたい。でも奴隷を酷使する命令は躊躇なく出す。

    経済動物の防疫を担当する公的機関のお役人が、こちらの世の中の命の価値を錦の御旗にして異世界で無双しようという筋立てに、奴隷身分の護衛たちと宗教団体の幹部との絆を乗っけたまではいいんですが、とにかく言ってることとやってることが食い違いすぎてて、ストーリーに入り込むまでが容易ではありません。

    もうすこし医学関係者なりの慎重さがあればいいのに、なぜか未経験の事柄に対してアクションをおこすことに躊躇がなさすぎます。
    おかげで人が死んでも妙に前向きで、落ち込みつつも前に進むのはいいとしても、あまりに無反省に同じ過ちを繰り返そうとするその「無敵の人」っぷりに、慣れるまで5巻を要するという感じです。

    現代の防疫知識を持ち、家畜を生命ではなく資源として、経済的合理性でもってその生死を判断する経済動物のお医者さんを異世界に飛ばすアイディアはかなり面白いセンスオブワンダーなのですが、サイエンス寄りではなくヒューマニズム寄りの性格付けにしてしまったおかげで、言うことは文系でやることは理系のちんぷんかんぷんが出来上がった感じです。
    いっそ愛玩動物向けの獣医にしてモンスターテイマー路線で行くか、経済動物向けの獣医のまま生命を合理性のはかりで切り捨てていく冷血ドクター路線で行くかすればまだ筋が通ったのに、社会的合理性で生命を選択するモンスターテイマーなんていう自己矛盾を起こす存在にしたおかげで、次々と仲間にするモンスターがろくに定着しないままにお荷物化していくさまは涙を禁じ得ません。

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  • 天下鬼才の孔明ネタを渋谷の領域にぶっこむ力技がうまくはまっている

    誰でも思いつくけれど、描く人を選ぶネタというものがこの世にはあって、そのひとつが孔明を現代にぶっこむネタだと常々思っています。

    ただ、誰でも思いつくだけに、諸葛亮のなにが諸葛亮たらしめているのかをよく理解できていないと、ただのコスプレオチになるだけの諸刃の剣です。

    その点本作は、三国志マニアのバイト店のオーナーを出すことで、諸葛亮の有名なエピソードを引きながらそれを現代に当て嵌める、文字通りの今孔明ぶりを楽しむ仕掛けになっているのがすばらしいと思います。

    いまのところ、基本ライバルがヒロインを貶めることしか考えていないクズしか出てきていないので諸葛亮の活躍が無難に見えてますが、本来諸葛亮の本質は味方にクズが現れたときにこそ発揮されるものだと思うので、早いとこヒロインのまわりに魏延や馬謖や劉封や李厳が出てくることを楽しみにしています。

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  • 典型的な異世界転生の器に、よくある日常系物語を丁寧に詰めた良作

    典型的な死亡した主人公が前世でプレイしていたVRRPGの世界のプレイヤーそのものに転生する、特にめずらしくもない十把一絡げの転生譚です。
    転生に気付いても何かが起こるわけでもなく、平凡な日常の中で、ゲームプレイ中にハイレベルに育て上げたキャラクターの能力を使って、村の人々との穏やかな関係を育んでいくのが、この巻での主なストーリーです。

    特筆すべきは、よくある転生の導入で、よくあるVRRPGの世界に飛ばされた、よくあるハイレベル主人公キャラが、よくある能力で、よくある村人たちのこまりごとを、よくある展開で助けていく、どこからどこまでどこかで見たよくある話であるにもかかわらず、その時々の主人公の情緒が丁寧に描かれていることです。
    これは、とても納得感があり、リアリティの薄いよくある話に説得力を持たせる結果をもたらしています。

    詳しくは語られませんが、主人公がなぜ前世で寝たきりだったのかが、異世界での行動の大きな動機付けになっていて、それを前提に置いたことで、主人公が能力に溺れて俺tueee状態を楽しんでいるようには見えないのが、好感が持てます。

    もうひとつ、主人公のゲーム知識とは時代を大きく隔てたことで、主人公の知識が大賢者レベルになることを防いで、世間知らずの世捨て人然としたチートが嫌味にならないキャラづくりに成功しています。

    とはいえ、転生後の世界そのものには大きな仕掛けがあるようで、神の調停で3王国になった元7王国がなぜ一夜にして戦争するに至ったのか、主人公が転生してくるまでの200年の間に魔法が廃れているのはなぜなのか、など、今後の巻を待つだけのネタはつまっています。

    特筆すべきユニークさはありませんが、特筆すべき丁寧さに裏付けられた説得力がありますので、転生後の人生を豊かに生きる主人公を見たい人にはよろしいんじゃないでしょうか。

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  • ×神眼の勇者 〇丸太の不審者 

    武器丸太をすんなり受け容れる大きな心がないと、楽しめません。
    丸太をぶんまわす主人公にピクリとも笑えなかった時点で、あとはもうなんの意味もないコマの羅列にすぎません。
    しかもかなり丸太を引っ張るので、普通の人間が丸太を武器としてぶんまわす時点で真顔になっているところにログマスターとか言われても、どうしようもありません。
    すいません。
    無料でも読む価値無しと思ったので、続巻が出ているのが不思議です。

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  • 傭兵のアドバンテージが活かされない展開が閉鎖空間で続いていく

    敗戦で落ちのびた傭兵が、傭兵稼業には戻らず冒険者になる理由がろくに語られぬまま、元傭兵の駆け出し冒険者は慣れないダンジョンに潜ったまま2巻目に突入してしまいました。

    世界観がろくに語られていないので、傭兵と冒険者の違いもよく呑み込めてませんし、主人公が金を稼ぐためになぜ慣れた傭兵稼業ではなく冒険者の道を選んだのかも納得がいっていません。
    けれども、ダンジョンの謎だけは容赦なく明かされていきます。
    謎が明らかになるたびに、この元傭兵はなんでこんな厄介で不毛で激レアに不幸なダンジョンに閉じ込められているのか、しかもサルベージしてくれたパーティのおこぼれでゴブリンスレイヤーになっているのか、ページが進むたびに不憫になります。

    朗報がないわけではなく、ようやく元傭兵が傭兵らしいタフキャラっぽい片鱗を見せJ始めたのはいいのではないでしょうか。
    あいかわらず、よくこれで戦場で生き残ってたなと思わせる、身体より先に頭が動くタイプの反射神経が乏しい感じがもどかしいですが、冒険者との違いを意識させてくれたのはいいと思いました。

    マスターキートンやパイナップルアーミーのような戦場うんちくを描けとはいいませんが、対人戦のときの心理アドバンテージくらいしか思いつかない暴力的な世界観で、元傭兵を冒険者としてダンジョンに閉じ込める展開はその良さを描くには難易度高すぎると思います。

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  • 自分の子孫に転生するセンスオブワンダーが圧倒的な漫画力で描かれる

    第一に挙げるならなんといっても漫画がうまいということでしょう。

    単純に絵がうまいだけでなく、構図や動きに説得力があり、あれ?これどういう動きなのかな?とコマに顔を近づけるようなことが起きません。
    圧倒的に漫画がうまいのです。

    ストーリーとしてはよくある転生ものですが、導入に十分長さを使っているので、次巻への引きもいいですし、なにより無用なハーレムも主人公が過剰に拗ねていたりすることもないので、1巻を読み終える頃にはすんなりと主人公を応援できる準備が整ってます。

    ただ、導入部でたっぷりと主人公の強みに説得力を持たせる描写に頁を割いたため、ろくすっぽ転生後の本筋が進まないうちに不穏な引きになってしまいます。
    ページ数は最近のこの種の作品ではけして短い方ではないのですが、漫画のうまさも奏してあっという間に読み終えたような短い道行きに思えます。

    とはいえ、なにかとステータス画面が出たり、無限収納アイテムがあったり、解説してくれるチュートリアル人格がいたり、そういった問答無用のデジタルワールドな描写に逃げることなく、主人公の能力のチートさや足りなさをわかりやすく可視化していることもあり、ストレスなく今後も読み進められそうです。

    いやしかし、これだけスキルの高い漫画力のある本格派の作家さんがこの種の夢想系原作をコミカライズで描く時代なんですね。
    贅沢な時代になったものです。

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  • ブサメンは三日で慣れる バカは三日で馴染む 善人は三度で笑えない

    主人公のブサメンさに慣れてしまって、いまひとつ最初の頃の刺激が薄まってきた感があります。
    ヒロインのバカっぽさというか、明らかに足りてない感じにも意表を突かれることもなくなって、もはやお約束感でないと不安になるレベルです。
    勇者の痛々しさが逆にブサメン級に見ていられなくなりつつある中、ついにチートな敵キャラが現れて、このメンツでそんなの出して大丈夫かと心配になる巻です。

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  • 傭兵らしくない傭兵がひたすら状況に流されるだけの話でした

    最低限のことができていない指揮系統の下に入って、心の中でツッコミ入れるくらいしかしない主人公にプロフェッショナルの兵士の片鱗も見いだせません。
    このお話、カネがない傭兵がなにをするか、という命題がまずあって、それにキャラクターがうまく答えられていないからいきなりストーリー序盤でつまづきます。
    戦場から身一つで落ちてきたまま死体漁りも略奪もしないまま素直に町の門をくぐり、衛兵に敗残兵と見咎められることもなく冒険者登録をし、ひとりではドブさらいくらいしかできないなあと仕事を選り好みしているところを誘われるまま初対面のパーティに入り、カネに困った敗残傭兵を見逃して町に入れるようなザル衛兵でもわかるダメリーダーの下で戦うリスクを過小評価するとは、とんだヘボ傭兵だと自己紹介されたところでほとんどこの巻は終わりです。
    自己紹介がてらの戦闘シーンでも、明らかにゴブリンスレイヤーに影響された描写があり、読者が読めている先を読めない愚鈍さを主人公パーティーに演じさせているのもマイナスポイントです。そんな二番煎じの惨劇を仕立てても、いかんせん悲劇の底が浅い。
    せめて一矢報いるところで傭兵らしい準備が活きる描写なりあればカタルシスもあるんでしょうが、脳筋で非常識で半端なお人好しのためこの主人公のどこが傭兵なんだかまったくわからないままです。
    2巻以降、この自称傭兵さんが大化けに化けるか、相棒になった自称魔人のキャラクターに真新しい設定でも出てくればこの巻の存在意義も出てきますが、少なくとも1巻だけを読む価値はありません。

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  • 自称凡人の高校生ラスプーチンが織りなす中2譚

    なんだこれと思いながら読み進みなんだこれと思いながら読み終わる終始なんだこれしかない偽悪ピカレスクもどき。頭脳も力もないが俺は屁理屈と口先三寸で世界を救う、くらいの小者感で押し通した方がいっそ応援しがいもあったろうに、凡人の高校生を女を誑かし権謀術数を操る異世界のラスプーチンにする意味が分からない。
    星は絵の上手さのみへの投票です。

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  • このいさぎよくも心地よいデウス・エクス・マキナは既視感あり。

    言いたいことだけをきっちり書き残す話運びと、登場人物の都合をいっさい斟酌しない過酷な運命論と、人の世を傍観するメタではなく世界に組み込まれた調整者たちの存在に既視感ありと思ったら、おがきちかさんのエビアンワンダーの運命の躱しかたを彷彿とさせるものでした。
    たくましくも頑固で救いがたい人間たちのこじらせた糸を、意外におおらかで御茶目な神とも呼ばれる調整者たちが自らの気持ちがいいように収めるデウスエクスマキナは、まさに昔読んだ容赦ないおがき節。
    と、思ったら、おがきちかさんがランドリオールを描いてるゼロサム連載だったんですね。

    二巻で話が収束しているので、いろいろと読み足りなさはあるんですが、かといって描き残しがあるようには見えませんし、読者としても思い残すことなくキャラクターが余生を過ごすところを読むことができます。
    これは漫画のうまさとか、アイディアの妙とか、シナリオの良さとかそういう一元的なものではなくて、ひとえに作者さんと編集さんが紡ぐ構成力の強さなんだと思います。
    最初から、ちゃんと数冊で収められる物語を置いておいて、その流れは変えずにエピソードを増やすことで話のボリュームを調整する、だから二巻程度で終わらせるとなっても急ぎ足になることなく短期連載のボリュームで十分サーガが紡げるんだと思います。

    もともとデウスエクスマキナは花の24年組が得意としていた和製SF漫画のお家芸です。
    転生と言いながら、今はやりのトラック転生とはまるで違う、むしろこれも女流SFの名作十二国記を思わせる過酷な運命への転生譚です。
    なぜご都合主義がカタルシスになりうるのか、登場人物のあまりの救いのなさをなんとかしたいという読者と作者との共犯関係がなければ、そもそも成立しないことに昨今の作品群は無自覚すぎるのです。
    昭和末期に隆盛を誇り、リュウやWINGSなど数々の専門誌を産んだいわゆるSFマンガのDNAをしっかりと受け継いだ骨太の漫画作品です。

    つよくおすすめ。


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  • 異世界なんて必要ない。漫画が異世界の扉だ。

    大友克洋さんの気分はもう戦争を読んだとき、リアルな画風で新聞やニュース映像で見る現実の延長を描きながら、その伸びた先がどこかおかしい、どこかぶっとんでいる、いわば現実ではない現実を見せるエンタテメントなんだなあと思ったものです。
    それは、童夢で確信を通り越し、漫画が漫画であることですでにセンスオブワンダーとして成立していることを世に知らしめたのです。

    が。

    それから四十年近く経ち、ポストAKIRA、ポストナウシカ、とSF漫画を積み重ねていく中で、いかに重層で既視感のない新しい世界観を描くかの競争へと先鋭化していき、やがて作者も読者も、見たことのない世界をいかに違和感なく見せるかの理屈を考えるアイディア競争に疲弊していったように思います。

    その、現実を非現実として描くアイディアに一石を投じたのが、昨今流行の異世界ものでした。
    トラックに轢かれて死んだと思ったら、異世界でした。理屈は知らん。手違いだったらしくて、いろいろ便宜を図ってくれたようで、現実ではありえない便利な能力を手に入れてました。理屈は知らん。なんか知らんけど戦ってみたら無敵でした。強いわ頑丈だわモテるわ金には困らんわ、困惑しながらイージーモードですー。理屈は知らん。
    その、理屈は知らん。のところが、漫画っぽくて、というより、理路でなく絵で説得することができる漫画の特性にすっぽりハマって、現在の隆盛があると私は思います。

    で、本作、殺し屋は今日もBBAを殺せない。です。
    ナンセンスギャグと劇画との相性の良さは、赤塚先生が実験作品で発見して以後、がきデカやマカロニほうれん荘が一部導入しつつ、ストップひばりくんの劇中で大友克洋さんの童夢に影響されまくった江口寿史さんがパロディとして絵をリアル路線に振り始めたときに主流へと変じたと思っていますが、まさにその直系にあると言えましょう。

    古くて新しい感慨がありますが、まさにこれが漫画なんだなあ、と。
    異世界に転生したんだよ、だから強いんだよ、なんて理屈はいらない。漫画だから強いんだ。漫画だから夢みたいなんだ。漫画だからこれでいいのだ。

    そこに圧倒的に説得力のある画力があれば、すべての荒唐無稽なシーンは読者をそういうもんだとねじ伏せることができるんだ。

    そんなことを思い出させてくれた、すごい漫画です。
    私的に、大友克洋の再発明だと確信しています。


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  • 主人公が己をよく知っているので、安心して読める

    現実ではゲームプレイ以外に取り柄のなかった主人公が、そのゲーム世界の住人として転生するよくある転生譚です。
    が、その語り口が絶妙で、特に主人公の傲岸不遜なオレサマっぷりと、前世のネトゲ中毒人間だったことへの自戒の匙加減がうまいこと作用していて、主人公が自分を卑下して卑屈になったり拗ねたりすることなく、過去の自分にとり憑いていた絶望をこの世界では寄せ付けないようにする自覚が、読んでいて頼もしいです。

    とにかく廃人プレイでゲームの裏をかくプレイスタイルはお手の物ですから、そういうところは躊躇なく経験に基づいたズルをしつつ、強くなりたいと願いながら才能のなさに押しつぶされて絶望に囚われそうなキャラクターには惜しみなく救いの手を差し伸べるあたり、ちょっと間違えるとクズ人間になりそうなところを、絶妙な塩梅で読者の共感を呼び込むナイスガイにしています。

    この巻ではまだ大きな物語の動きがないので、今後どんな冒険が待っているのか期待する材料すら見えていませんが、なにしろキャラクターのよさとその絵の綺麗さとがマッチしているので、安心して2巻が待てます。

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  • 人心という因子を考慮していないから、結果的に何も救えてないことに

    自国の富を列強間のゲームの報酬にすることで、敗戦という結果をチャラにするアイディアは、ゲーム理論の社会的ジレンマやナッシュ均衡を語る教材としては面白いのかもしれません。
    が、現実の戦争における統治上の数字とは、兵の数が減れば最低15年経たないと回復しない兵の命が失われ、戦後回復するはずの労働力が失われ、彼を待つ人々の人心が離れることまでを想像するのが本義です。
    敗戦必至の小国が、世界のルールを変えることで生存戦略を図るまではいいとして、その詭弁が姫と主人公ふたりだけのパラダイムシフトしか起こせていないことに気付かない読者ではないでしょう。
    ふたりが人心を繋ぎ止める算段をすることなく、数学理論に頼ってひたすら計算式に逃げ込む姿は、読者の共感すら奪う破壊力です。

    主人公がついに至るタカハト理論にしても、開戦するまでは列強各国と繰り返す覇権ゲームによって多のタカとひとつのハトが既に均衡していた話であって、自国の敗戦で都合よく現出したものではありません。そもそもが小国なんですから。
    であれば、姫と主人公がすべきことは、開戦前に各国に交易の独占を持ち掛ける新たなゲームを開くことで、少なくとも戦闘における生産力の低下と人心の乖離を避けるのが第一の目標になるべきです。
    結果的に負けない戦争などを夢想するより、兵を用いない戦争で勝つことを夢想する方が、本来の意味でパラダイムシフトであり、数学理論を駆使して生き抜く参謀役の面目躍如かと思いますが。

    いずれにしても、嘘でもいいからこのふたりに従う側近がもう少し増えてくれないと、最後にはふたりだけの王国になりそうで怖ろしいです。

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