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フルハウスさん

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  • 捉えがたく、覆いがたい街、東京

    押井守作品では私はこれを推す。彼もまたどんな素材(うる星、攻殻、そしてパトレイバー)もその色に染める作家性の強い監督だ。
    有楽町の映画館で観て、秋口なのに映画の世界と現実が密接にリンクし、外に出てから暫し呆けてしまった事を思い出す。
    東京という街を執拗に、多視覚、微細に見つめている。高架の下に閉じ込められた水路、木場の工場廃墟、灰色の雪に包まれる街並。情報を管理できるアニメという手法だからこそ実写以上の東京がここにはある。私の特に好きなのは南雲と後藤が荒川の車に同乗して首都高を走るシーンだ。
    もはやパトレイバーという娯楽アニメを越えてしまった。もしこれがパトレイバー映画である意味があるなら、きっと映画の中の戦争のように、我々のほんの少し先を行く地続きでバーチャルな現実への介入装置。この捉えがたい東京(=現実)という街を捉えようとする、フィクションにおける挑戦ではなかろうか。

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  • STAR WARS全エピソード中、観返したいのはこれだけ

    この間『シスの復讐』を観返してがっかりした。
    S.W.全六編中最も重要で、好きなエピソードは?の『帝国の逆襲』というと大抵の人が不信顔。さもありなん。結末は尻切れトンボ、ヒーロー達はいいとこなし、なんだか地味な谷間のエピソードという印象が強い。
    しかしあのラストシーンがこの作品を変えた。それまでダース・ヴェイダーは見たまま単純な悪玉でしかないが、父の名乗りをあげ、息子ルークに手を差し伸べ『共に銀河に新たなる秩序を打ち立てようではないか!』とかき口説く姿は、苦悩する父、挫折せる理想主義者、かってのアナキン・スカイウォーカーという人物が現れている。この瞬間、S.W.という映画は一発花火のSF娯楽作から、重層的な膨らみをもつスカイウォーカー一族のSAGA(系譜物語)へと羽化を遂げた。
    だからこそ、この?への直截の回答なるべきエピソード?の太平楽にはガッカリしてしまった。あれではあんまりだ。

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  • Wの悲劇

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    角川映画の最高到達点

    澤井信一郎監督と言えばこれ。
    いい映画。何の気負いも無くそう言い得る。脚本、役者、音楽、総て丁度良くバランスが取れて飽かず多視に耐える。
    それと、もう一つ。これは70~80年代の邦画界を風靡した角川春樹事務所制作の映画の最高到達点なのだ。あの当時、角川映画は本当に独特な風合いと言うか、色感があった。
    所謂メディアミックスの先駈けで、お堅い評論家連には商業主義を冷笑されていたけれど、そういう80年代前後の娯楽作を思い返すに角川以外になにが残っていると言うのか。84年のこの作品と数点を以って、90年代辺りから角川映画は失速してしまうのだが、今思うに、映画における制作力、と言うかプロデュースの重要性を角川映画は証明したのだと思う。映画を造るのは役者や監督だけではない、制作こそ映画を造る、いや創るのだ、と。
    音楽は久石譲氏。が、この映画を想うときサティのジムノベディの調べが頭の中に流れる。

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  • 山猫は眠らない

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    センスのある邦題じゃない?

    一時、スナイパーの物語に憑かれたことがある。
    スナイパー(狙撃手)というのは、部隊単位で動く軍隊では例外的に個で闘うことを許され、また要求される兵種だ。兵隊が不特定多数の的(=敵)に向かって撃ちっ放すのに対し、スナイパーは常に個が個を、一人が狙い済ました一人を殺すのである。だからスナイパーは(こと軍の狙撃手は)敵からは憎まれ、味方からは疎まれる全くのアウトローなのだ。
    しかし、だからこそスナイパーは「殺人」という戦争の本質をお為ごかしなしに直視する人種だといえるし、戦いぶりには体臭のような個性が現れる。つまりドラマを造るに格好な素材なのに、スナイパーそのものを描いて成功している映画がないのが以前から不思議だった。どちらかというとスナイパー物語の佳作は活字に多い。この作品はそんな中で例外的に優れた映画で、彼らの生態、思考、闘い方を忠実に描いている。
    例の如く、続編はからっきしペケ。

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  • アビス/完全版

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    隠れ代表作にて不振の最高傑作

    J・キャメロンの最高傑作は『アビス』である。もちろん代表作ではない。代表作の名に値するほどの興行成績を上げられなかったが、しかし最高傑作。
    以後のキャメロンを特徴付ける要素の殆どはここで出揃っている。暴走するテクノロジーと人間性の対決、深海への興味、もとSFXマンならではのスタイリッシュな映像。それに、何か誤解があるようだが、これはファンタジーだ。監督自らあるインタヴューでそう答えている。ハードSFではない。
    レヴュでも批判が集中しているのはあのラストシーンだ。わかる。あれを典型的デウス・エクス・マキナ解決という。しかし、不振の理由は多々あれど、やはりこれはキャメロンの最高傑作(もしくは隠れ代表作)なのだ。何故ならこの作品は監督が暖めてきた構想や技術やハート、つまり、今持ち得る限りのすべて、というやつを思い切りぶつけた、その息吹が、感触が画面の端々まで感じられる。そんな映画だからだ。

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  • 異形の人形使い、ジム・ヘンソン

    ハリーポッターがふやした俄かファンタジーファンは、この作品をどう観るか。目を背けるか、それとも?
    宇宙船が飛びかいレイザー銃で撃ち合うのがSF映画ではないように、ファンタジーも少年少女が魔法を使うだけのジャンルではない。それは時に悪夢であり、死や絶望の匂いを嗅ぎ、滅亡と再生を謳う原話的世界だ。ファンタジーに夢の甘ったるさだけを求める人よ、とりあえずこの映画を観て手ひどく噛まれてみることだ。
    監督ジム・ヘンソン、通称?マペット・マスター?(人形使い)。その工房集団は後にヨーダの製作に関わったりする。彼の如き手法と幻想をもった作家は今ではもう現れないだろう。どれほどリアルでも所詮絵でしかないCGと比べ、物質としての醜いまでの存在感を発した彼のマペットたちは、それだけで一つのファンタジーの創造であった。つまり、この魅力ある?種族?たちは確かに実在したのである。

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  • 若き才能を結集した一期一会のセル・アニメーション

    この作品については様々に切り口があるので、そこら辺は本を読んで欲しい。アニメ論が五冊あれば三冊はこの作品を扱っているはず。
    高校生、いや、中学生以上なら感応範囲。初見は多分大したことは無いと思うはず。私もそうだった。ただ、何かもやもやしてひっかかりがあれば、二度三度と回帰するその都度、一段ずつ理解と共感を深めてゆけるだろう。
    バンダイというメジャー資本だが、実質これはインディーズ、それも数多の若かりし才能を集めたインディーズ・アニメだった。岡田斗司夫、庵野秀明、貞本義行、樋口真嗣など、今では大メジャーなこれらの名が一つのラインナップに集まる機会は後にも先にもない。
    娯楽作でもアニメでもない。どんな世界であれ、やはりいらいらし、ふわふわして不安に苛まれる若者たちの、そのエネルギーが時折到達する高さを描いた青春群像劇。そしてそれは創り手の若きクリエイターたち自身の姿でもあった。

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  • かって『西遊記』の後枠でやっていたTVシリーズ

    『宿敵サイロン帝国に敗れた人類は、宇宙空母ギャラクティカを中心に220隻の艦隊を組んで十二惑星群を脱出した。
    目指すは伝説の惑星、地球。しかし、人類抹殺をもくろむサイロン帝国との死闘はなおも続く…』
    いやあ、好きだったなあ!この前口上。これをドキドキしながらTVの前で聞いたもんだよ。所謂スター・ウォーズ・フォロワーの一つのSF叙事詩。元ネタはユダヤ民族の故郷喪失と離散、それに失われた十三部族の伝説ってやつ。遥か幾千里の苦闘の果てに、約束された地が…というのは旧約聖書的世界観をもつキリスト教文化圏じゃ深層心理に刷り込まれてるストーリー。そういえば、登場人物の服も妙に古代のトーガっぽい。
    切詰め版より、ここは一つ当時を偲んでシリーズで見たい。欲を言えば、あの当時の日本語吹き替え版があればなおのこと◎。例の前口上も日本放映版のみだし、SFX以前の、特撮レベルの映像だけれど懐かしさ勝って好し!

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  • これこそSAGA(系譜物語)なり

    STAR WARSにSAGAを冠して持て囃しているのを聞くと、分かっちゃいないねとつい嫉みたくなる。SAGAとは本来こういう作品ですぞ。
    圧倒的重量感のある長大なストーリー、緻密で衒学的な設定、魅力的な登場人物、されど興行成績ではS.W.の足元にも及ばない。でも、好きだったなあ。特にS.W.の正反対をゆくダサ格好良いアイテムたち。観た当時は段ボール箱をシールドにして、声で音振動レイザーガンを真似をして遊んだものだ。登場人物じゃ空に浮く苦瓜顔の百貫デブ、ハルコネン男爵に嵌った。録音テープに落としたToToのサントラを音が劣化するほど聴きまくった。
    映画として自己崩壊を来してしまったのは、余りに複雑錯綜した世界観とストーリー(単行本四冊分を二時間弱に収めようってんだから)故。がS.W.など見るに耐えんと言う方、是非一度お試しあれ。西洋の砂漠幻想、オリエンタリズム、SFの三者が融合し稀有な映像美に結実している。

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  • シルバラード

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    やっぱり最初は愉しいのから入ったほうがいいでしょ

    もしあなたに子供が、恋人がいて、面白い西部劇が観たいなってせがまれたら?
    これ結構、難題だと思う。というのも、もう西部劇は娯楽作のメインロードにないと思うからだ。白黒の旧作名作はどうしても鑑賞させられてる感じがするし、第一CG映像や息もつかせぬ展開の現代作を見慣れてる現代っ子や若い恋人ならすぐ寝るね、間違いない。
    で、回答の一つとしておススメするのがコレ。正統派路線を踏みつつ、リアリズムの洗礼を潜っていて、テンポ良い話運びで痛快なBang Bang娯楽作になってる。
    キャストの最前列はK・コスナーだけれど、この時はブレイク以前。主役のS・グレンに比べたら存在感がまるで軽くて、修行せいよという感じ。『リーサル・ウェポン』前のD・グローヴァーや悪役のB・デネヒー(『コクーン』ね)なんかもいい。最後にメインテーマが◎出来。エンドタイトルのバックに流れるのをよくご鑑賞あれ。

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  • L.A.ストーリー

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    おいおい、これもスティーヴ・マーティン作品だよ

    昔二本立で観たんだけど、お目当てよりこっちが残っちゃった。
    セレブでハイソな西海岸での生活に、飽衣飽食の絶望を抱えた四十男が、都市の神の啓示に導かれ愛を見つけるという大人のメルヒェン。
    L.A.ライフの実のなさを誇張をこめていささかの皮肉に描くけれども、それが所謂『異議申し立て!』にならないのは、そのL.A.が確かに魅力的で不思議な楽園に見える為。
    そして、フリーウェイの電光掲示板に現れる啓示というのも面白い。行先の道を示すもの、という表層的な比喩の奥に、キリスト文化圏の特質が隠れてる。もし、これが日本だったら必ず何らかの形があるはずなんだ(トトロみたいにね)。でも「言葉は神なりき」のキリスト教世界じゃ、路傍で不思議を働く都市の精霊は、実体を持たず光っては消えるうたかたの言霊のみとなって顕現するんだね。
    で、この電光掲示板君。妙に下世話だったり、神がかっちゃったり、愛嬌のあるやつなんだ。

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  • ゼイリブ

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    ジョン・カーペンター、その内なる悪夢

    なんとも悪趣味だ。
    カーペンター監督はとあるインタビューで、自分は世界に対してあまり明るい観方をしていないと述べていたけど、その神経症的妄想が全開である。
    映画の造りとしては、低予算なだけに突っ込み処は満載。俳優はどこぞの馬の骨、展開はチープ、そして、何の脈絡もなく始まって五分近く続く乱闘のシーン。このシーンがどれほどファンの間で物議を醸したかと言うと、漫画『宇宙家族カールビンソン』で映画のパロディをやってる話があるんだけれど、件の乱闘シーンがそっくり描き込まれて笑いになっている。それ程変なんだ。
    が、表面上のマス・メディア批判や社会風刺やらを真面目に受け取っちゃイケマセン。有益めかした意味をぶっ飛ばして、この作品はずっと低俗で、露悪的で毒々しい。監督こんな共感を求め、笑いかけてる。「さあ、この悪夢を共有しよう。きっと気に入るはずさ。ほうら、世界はこんなにいびつで、恐ろしい…」

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  • B級映画の傑作

    B級映画史上、燦然と輝く名作である。これを受けて、続編、続々編、ビデオシリーズと次々と作られたが、すべて失敗。続編の失敗で打ち止めしておけばいいのに性懲りもなく造り続けられたのは、いかにこのオリジナルの衝撃、慣性力の凄まじきかを物語る。
    その面白さの秘密は、首を落とされない限り生き続ける不死身の剣士達が最後の一人に与えられる究極のパワーを求め戦うという、漫画そこのけの設定と、それをスタイリッシュに映像化した監督の手腕だ。
    原案、脚本のグレゴリー・ワイデンは『バックドラフト』の脚本家。一方、監督のラッセル・マルケイはこの一本でその人ありと知られるようになったが、彼の映像美をより味わいたい方には出世作『レイザーバック』を勧めたい。闇の表情を豊かに撮りあげることに秀でた映像作家だ。

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  • LIMIT OF LOVE 海猿

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    泥舟は沈む、観客(われわれ)は逃げる

    やるかな、やるだろうな、ああ、やっぱりやった。ベタベタしたおセンチ劇だ。
    そこかしこに見る美質を欠点が帳消しにし、中でも最もいただけないのが物語を表面上に薄っぺらく塗り付けた感情ドラマだけで引っ張ろうとする所。その物語本体と言えば、あるべき場所に必要な骨材を欠いている有様。
    例えば、これは海難救助隊の物語であるが、そのノウハウについては恐ろしく描写が希薄だ。登場人物達は無闇に大変だ大変だと騒ぐが、ちっとも切迫感がない。事実に的確に即したシーンの欠如を、不必要な程過剰な感情ドラマで補填する。それは専門性という今の本邦エンタテイメントが総じて忌避したがる部分に関わっているからだが、では仮にスポーツのルールを知らずにそれを本当に楽しめるのか、という反問もここに生じる。
    愛情や友情といったもので落着しないと不安でしようがないのだ。が、逆に言えば、それだけ我々観客も信頼されていないのである。

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  • 日本沈没(2006)

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    日本映画、本日も反省の色無し

    ある監督が、映画は最早イベントにしかならないと述べていたが、成程、その通り。祭り(イベント)なら一発花火を打ち上げ、採算を取ったら後は口を拭って忘れてしまってもいい。継続して何かを創り出すことなど、端から埒外。やり逃げでいいのだ。
    何故、今『日本沈没』なのか。最近の東京大震災の危機意識の高まりも関係しているようだが、ラストをあのように変奏するなら、オリジナルの物語を創っても良かった筈。日常を根底から覆す天変地異を複数の人々の目を借りて描くのだから、先ずそう、『ディープ・インパク』辺りの作法を参考にしたらいかがか。あちらさんは地球滅亡でスケールはずっと大きいが、傑作かどうかは措くとして一応鑑賞作品に仕上がっている。そうしておけば少なくとも、猿真似だという批判だけで済むので、物語の態を為していないレヴェルまで映画を貶めずに済むのでは?。
    苦痛と恥辱の二時間余。日本映画大沈没。

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  • 社会現象化した最後の映画

    オープニング劈頭、逃げる外交宇宙船を追って画面上方からインするスターデストロイヤー。
    何故、S.W.とういう映画はこれほどまでにウケたのか。言っちゃあ何だが、この第一作目はそう大した話じゃない。ストーリーは単純な勧善懲悪、人物の彫も浅く展開はご都合主義的。では何故?
    アイテムが良かったのだ。小道具、言い換えれば世界観がとてつもなくスタイリッシュだったのだと思う。あるS.W.ファンは、兎に角格好いいんだ、と言った。この作品は優れたストーリーがなくとも、ただあまりに格好がいいというだけで映画は成立してしまうことを証明した。それを端的に物語るのがあの冒頭シーンだろう。いまでは無数のエピゴーネンによって陳腐化してしまったあの映像こそ、30年前は観る側の世界観を揺すぶるほどに衝撃的だったのだ。
    すると、当時珍しかったキャラ版権を求めたルーカス監督は自分の作った映画の本質をよく理解していたに違いまい。

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  • あのう、これもC・イーストウッド主演・監督作なんですけれど

    アクションスターにとって軍人を演じるのはいわばお約束みたいなもの。ただ、荒唐無稽なランボー的アクションじゃなし。
    軍隊の背骨であり、その精強さを支えるのはひとえに下士官の質だと言われている。戦闘のプロは下士官なのだ。彼らが兵を訓練し、纏め上げ、闘わしめる。士官は棒振り役、つまり作戦指揮だ。マスター・キートンはSAS伍長だし、『コンバット』ですぐ思いつくのはサンダース軍曹だものね。軍の中の下士官という存在を理解するにはうってつけの作品だ。
    戦争モノというより軍隊モノ。半端者の寄せ集めを鬼リーダーが鍛え上げるっていう骨格はスポ根のパターンだ。軍隊という場に置き換わられた『頑張れベアーズ』の一種だと考えると腑に落ちる。だから反戦でも、哲学的テーマがあるわけでもない。Bang Bangって敵をやっつけて、目出度しめでたし。他愛ないといっちゃ他愛ないが一応地に足が着いてる分、娯楽作としては上等。

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  • 勇午 The negotiator インド編下

    本・コミック(通販)

    受難者、勇午

    なぜ勇午は徒手空拳の一個人なのだろう?。しかし、何らかの信仰や組織に属することは、その背景の色に否応なしに染まって見られてしまう為に、真の利害の代弁者(交渉人)足り得ないからだ。
    勇午にとって個人とは必然なのだ。彼は度々?信義?ということを口にする。それは主義信仰以前の、良識すらもまだ表層的な文化価値にとどまる、もっと素朴で根源的で、かつ普遍的な人間感覚のようだ。彼が梃子にするのはそこなのだ。
    更に勇午は実によく拷問を受ける。どのエピソードでも又かという位、交渉相手に捕まっては酷い目にあう。彼は二つの敵対関係の狭間でその憎しみを代行して贖うのだ。つまりこれは受難だ。そしてその責め苦を無事切り抜けるのも、また交渉相手に言葉を届けその信頼を勝ちとるのも、詰るところ彼が身一つの個人だからこそと言える。こうしてみると、この信仰のない勇午という人物は不思議にも優れて宗教的であることに気付かされる。

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  • フ○ッ○ング・ムーヴィー、世にはばかる

    世の中にはおかしな映画があったもので、明らかに駄作なのに妙に愛嬌があるといいましょうか、斬って棄てるに偲びないというか。
    86年公開時に二本立てで観たのだが、さもなきゃこんな映画とても客は入るまい、と。観終わってからつくづく首を捻ってしまった。こりゃホラーかSFか、はてさて一種のパニック映画なのか。山が無いストーリーに、結末は尻切れトンボ、そもそもあの子供だましみたいな悪魔トラックはなんだ?と、本当に不思議~で、??一杯な映画だった。でも最後までずるずる付き合ってしまう愛嬌があるので、この変な感じはホント見てもらわないと分かるまい。
    これが、あのキング御大が脚本を書き下ろしメガホンも振るったとのだから、天は二物を与えずというのは本当なんだねえ。作者本人も認める完全な失敗作。(シャイニングのリメイクも今一だったし)。観て、なにコレ?とヘラヘラ笑ってやる使い方が正しいイカモノ映画である。

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