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ブレードランナー 2049

2018/04/12 - DVD/CDレンタル

シリーズ:ブレードランナー

タルコフスキーへのオマージュ

なによりもアカデミー撮影賞を受賞したその透明感・浮遊感が感じられる映像が素晴らしく、
あらゆるアイテムが横溢し猥雑でエネルギッシュな前作とは対照的な、
シンプルで東洋的な禅の世界を思わせる研ぎ澄まされた美意識で統一された今作は、
イギリスの労働者階級下町出身の監督とカナダの大自然の環境で育った監督とのバックボーンの違いが影響しているのかも。
随所に旧ソ連邦出身のアンドレイ・タルコフスキー監督作品へのオマージュが散りばめられており、
象徴的に何度も登場する枯れ立ち木は「サクリファイス」、
デッカード捜査官が飼ってる犬は「ストーカー」、
死んだはずのレイチェルが蘇るのは「惑星ソラリス」、
エンディングの主人公Kに降りかかる雪は「ノスタルジア」。
監督も違うしそもそも前作は原作とは別物なので、
リドリー・スコット固有の特異な世界。
前作の世界観が好きな方にはお薦め出ませんが、
この作品自体の完成度も高いのでは。

4人中、2人が参考になったと投票しています。

アウトレイジ 最終章

2018/06/08 - DVD/CDレンタル

シリーズ:アウトレイジ

前作よりもスケールダウン

一本目が山王会内部の抗争,二本目が山王会vs花菱会との抗争で、
この三本目は在日コリアンマフィアと花菱会との抗争劇かと思いきや・・・。
結局は一本目と同じような構図だし、
前作まで引っ掻き回していた文世ちゃんもいないので、
シンプルで解り易くなった分だけこじんまりしちゃった感じ。
三部作最終作ということで予定調和の落穂拾い的な展開で収束。
塩見三省が大病明けで前作の迫力が全く無くなってしまったし、
大杉漣は「北陸代理戦争」のパロディなの?
つまらなくないけれど、前作ほどのテンションはありませぬ。

3人中、1人が参考になったと投票しています。

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

2018/03/22 - DVD/CDレンタル

シリーズ:猿の惑星

陳腐な復讐劇

前作までは猿としてのアイデンティティを強く主張しながら人間との共存を図ろうとする、
シーザー自身の葛藤をメインとするギリシャ悲劇かシェイクスピアのような不条理的なストーリーの、
人種間の軋轢からヘイトを叫ぶ現在の世界情勢を反映させた社会派SF映画シリーズでしたけれど、
これだとシーザーの復讐劇で「グラディエーター」とかイーストウッドの「アウトロー」と同じ内容。
最後もモーセの出エジプト記みたいで、
ここで登場する猿たちはユダヤ人なのかよとちょっと呆れ。


2人中、1人が参考になったと投票しています。

エル ELLE

2018/03/21 - DVD/CDレンタル

レイプシーン多いです

冒頭からいきなりレイプシーン。
その後も何度も主役のイザベル・ユペールがレイプされ続けるけど、
平然としていて「ったく、もう」てな感じで蚊に刺されたみたいな対応。
それで駆除用に武器も購入して応戦もするし、
レイプ魔と戦う強気なオバサン。
48歳のやり手女社長の設定だけど、
この女優さん本当は60代。見えませんね~。
1980年の「天国の門」でも輪姦レイプされちゃうシーンがあるけれど、
あんまし変わってないよ。まさしく美魔女。

1人中、1人が参考になったと投票しています。

昼顔

2018/02/25 - DVD/CDレンタル

シュールな夢

シュールレアリスムの巨匠ブニュエルの作品なので、
通俗的な人妻の火遊び不倫物のわけがない。
冒頭からして変だし、
何度も唐突に夢のシーンがモンタージュされるので、
これは現実かはたまた夢の出来事なのかと混乱させる、
そんなところもブニュエル魔術なのかも。
ブルジョワジーの虚飾と欺瞞を引っぺがすのは元より、
度々出て来る馬車や牧場には動物的な性的欲求も表されており、
SM趣味のシーンも含めてドヌーヴの香気漂うエロチシズム。
同じコンビの「哀しみのトリスターナ」と同様に、
高貴な美貌を放つ絶頂期のドヌーヴほど、
無上の快楽を感じさせる存在はいないのではないか?
共犯者ですね。

1人中、1人が参考になったと投票しています。

緋牡丹博徒 花札勝負

2018/02/13 - DVD/CDレンタル

シリーズ:緋牡丹博徒

助っ人の健さん

同じ緋牡丹博徒シリーズの「お竜参上」の前日譚で、
こちらは名古屋の土建屋が舞台。
嵐寛寿郎が相変わらずの良い親分で、
小池朝雄も相変わらずの悪い親分で、
その良い親分に草鞋脱いでるのが藤純子、
一方の悪い親分に草鞋脱いでるのが高倉健という構図。
つまりこれは半分高倉健の映画で、
最後の最後に堪忍袋の緒が切れて、
藤純子と一緒に小池朝雄を成敗しに行く健さん、
という「日本侠客伝」「昭和残侠伝」と同様のパターンの作品ですわ。
加藤泰独特のローアングル長回しによる仄暗いトーンが魅力。


1人中、1人が参考になったと投票しています。

シェルタリング・スカイ

2018/01/14 - DVD/CDレンタル

サハラでお茶を

原作がポール・ボウルズの不条理小説の映画化なので、
難解なのはしょうがない。
灼熱の砂の迷宮を彷徨い、
文明の届かない辺境で論理性が喪失し自我が崩れ落ちて行く様を、
麻薬で頭脳が麻痺したような感覚で描いている。
後年の「バベル」に登場するブラッド・ピット&ケイト・ブランシェット夫婦に似ているが、
こちらはもっと徹底していてストーリーに救済は無く、
最期にボウルズ自身が登場してクエスチョンのまま。
ポリスの「シンクロニシティ」での終曲がこれから採用されているのは有名。
ベルトルッチ監督特有の陶酔的なエロチシズムとラビリンスの世界。

1人中、1人が参考になったと投票しています。

めし

2017/12/13 - DVD/CDレンタル

素晴らしいオープンセット

林芙美子が生前に連載していた最後の小説で、
急死した為に未完となった作品の映画化です。
その為に後半は原作の描写にはなく、
映画として収拾付ける為なのでしょうけれど、
少しばかり明るい希望を持って終わらせてあります。
作家自身が社会の裏街道を潜り抜けてきたこともあるのでしょうけれど、
往々にしてその作品は辛口の傾向が強く、
特に男性に対しての視点は相当に手厳しい面があり、
前半に原節子が男のだらしなさや身勝手さと、
女が家庭に縛れらることの理不尽さを嘆くシーンがありますが、
これなどは作者の思考の方向性が端的に表現されているのでしょう。
もしこのままストレートに話が進んでいったなら、
おそらく別の内容になっていたかもしれませんけれど、
原節子・上原謙という演技派ではない美男美女のスターを起用した作品なので、
差し障りのないエンディングで落ち着いたのでしょうね。
それでもこの作品が第一級の内容を持つのは、
なんといってもその素晴らしいセット。
大阪西成区の御屋敷街である天神の森の街並みを、
東宝砧撮影所近くにオープンセットを組み立てて、
内部空間まで緻密に造り上げた当時の東宝美術部のレベルの高さ。








1人中、1人が参考になったと投票しています。

ドント・ブリーズ

2017/11/24 - DVD/CDレンタル

犬映画

確かに殺人マシーンのジジイも怖いけれど、
もっと怖いのがジジイの飼ってる犬。
登場の仕方がちょっと心臓に悪いよ。
最凶最悪の犬。

2人中、1人が参考になったと投票しています。

破戒

2017/10/09 - DVD/CDレンタル

三國連太郎&岸田今日子

市川崑監督が昭和三十年代に旧大映で撮り続けた一連の文芸作品の映画化の中で、
この作品が一番オーソドックスに造られていて、
テーマがテーマだけに奇をてらった作風は封印されており、
独特の市川崑調は鳴りを潜めています。
市川雷蔵との組み合わせは三回目でこれが最後。
最初の「炎上」と設定が少し似ているのでこの作品を選んだのかもしれませんが、
唯美主義的な三島文学に対し自然主義の島崎藤村だと扱いが難しいようで、
いつものモダンかつシャープで軽快なタッチは皆無。
芥川也寸志の音楽もちょっとシェーンベルグやアルバン・ベルグ風で暗めです。
そのせいか出演者に少し捻りがあるようで、
友人役に長門裕之が起用されており、
どうしても重苦しくなるストーリーに快活なリズムを与えています。
また部落解放運動の活動家夫婦に三國連太郎&岸田今日子を起用しており、
実際に部落出身である三國連太郎が重厚でスケールの大きな演技を、
それと対比するように岸田今日子が透徹した美しい様を見事に表現しています。
岸田今日子は当時はまだ文学座に在籍していた頃で、
同じ文学座のトップであった杉村春子と宮口精二も出演。
文学座のお歴々が出演している作品でもあります。
もう一つの見所といっては変ですけれど、
後年の「犬神家の一族」とロケ地が重なっており、
市川雷蔵が古い街並みを歩くシーンを俯瞰で捉えたショットは、
「犬神家の一族」で石坂浩二が佐久の街並みを歩くシーンと同じ。
三國連太郎&岸田今日子も「犬神家の一族」に出ていましたしね。
犬神家は長野県内がロケ地で、
この作品も信州の飯山と小諸が舞台ですから、
二つの映画を見比べてみるのも一興では。


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新仁義なき戦い 組長の首

新仁義なき戦い 組長の首

2017/08/29 - 動画

シリーズ:仁義なき戦い

山崎努

成田三樹夫にシャブ中にさせられ、
ロボット化されて親分のタマ取っちゃう山崎努が最高!
あの「八つ墓村」と並ぶキレまくった狂気ぶりが、
本当にこの人大丈夫なの?と心配するほど。
あとはアンヌ隊員のひし美ゆり子のヌードがお楽しみ!
凄いサゲマンぶりですけど。
小林旭する三上寛もちょっとご愛敬。

1人中、1人が参考になったと投票しています。

緋牡丹博徒 お竜参上

緋牡丹博徒 お竜参上

2017/08/28 - 動画

シリーズ:緋牡丹博徒

加藤泰の最高傑作

この映画には前日譚があり、
「緋牡丹博徒・花札勝負」に登場する盲目の少女を探すお竜の話です。
その少女と巡り合う前半のワンシーンワンカットの場面が素晴らしく、
巧みな画面構成と淀みない人物の動きから、
やもすると陳腐になりがちな人情噺を劇的に叙情豊かに描きます。
後半は文太扮する東北出身の侠客との淡い報われない恋を描き、
特に雪の橋での別れは任侠映画屈指の名シーン。
菅原文太自身が東北の出身で、
逆境に挫けない気骨ある役は俳優自身が反映されているのかも。
最後の浅草十二階での藤純子の姿は、
さながら八百屋お七か白拍子の如く。
加藤泰特有の美学が詰まった作品ですね。

1人中、1人が参考になったと投票しています。

貧乏長屋の落語

イランの下町を舞台にした古典落語でも聞いてるような世界。
貧乏一家の兄妹を取り巻く庶民の人々、
街の雑踏や暮らしぶりが生き生きと活写される。
最後は慈愛にあふれたほのぼのとしたエンディング。
志ん生師匠の「火焔太鼓」か「文七元結」でも聞いてるような気分で。

0人中、0人が参考になったと投票しています。

つぐない (ブルーレイディスク)

2018/07/29 - DVD/CDレンタル

もう一つのダンケルク

この作品は前半と後半では描かれる情景が全て逆になります。
前半は同じ監督の「プライドと偏見」と同様の、
長閑な田園に広がる御屋敷を舞台にした上流階級の優雅な暮らしぶりを見せつける英国趣味濃厚な世界ですが、
後半は一転して第二次世界大戦初期のドイツとの激しい交戦の中で人々が疲弊していく姿が描かれており、
特にダンケルク撤退のシーンはワンシーンワンカットで臨場感あふれるとてもリアルな激戦地が描写されます。
つまり前半が「プライドと偏見」、後半が「ウィンストン・チャーチル」ということですね。
このダンケルクのシーンはクリストファー・ノーラン監督の作品よりも出来が良いいと思います。
ストーリー自体は思春期における少女特有の潔癖性・排他的・独善的な感情が要因のお話で、
いわゆる中二病って奴ですね。
特に13歳を演じたシアーシャ・ローナンの演技力に脱帽。
時系列がとても複雑なので(タランティーノ並)、
頭の中で少し整理しながら鑑賞ですね。

0人中、0人が参考になったと投票しています。

宗教は金なり

この映画が製作された当時はジョージ・W・ブッシュ政権。
テキサスを地盤とする石油利権の政治家であると同時に、
キリスト教原理主義者達の後押しを受けて大統領に昇りつめた。
本人は特に宗教にドップリでもなかったか、
アメリカの地方に暮らす白人達は白人至上主義と、
エバンジェリカルなどキリスト教原理主義の影響がとても強い。
この映画はそういった宗教にかこつけた胡散臭い連中と、
石油利権の傲岸で山師的な存在を皮肉った内容で、
これは現在のトランプ政権にもそのまま当て嵌まる。
ポール・トーマス・アンダーソンならではの緻密な構成力と、
息を飲むほどの美しい映像美にダニエル・デイ・ルイスの圧倒的な演技力が特筆もので、
深遠性も感じられるような濃密な内容を持つ極めて完成度の高い作品。

0人中、0人が参考になったと投票しています。

エッセンシャル・キリング

2018/07/16 - DVD/CDレンタル

ネタバレ 野性の証明

※このレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
雪山の原野を這いつくばって食料を探し求め、
蟻を舐め樹皮を齧り魚を屠る、
挙句の果てには爆乳人妻を押し倒して母乳を啜る姿は、
獣(ケダモノ)に先祖返りしたような姿。
心の奥底に眠る野性が目覚めて、
次々と殺戮を繰り返す話と言えば、
高倉健の出演していた角川映画をちょっと思い出してしまいました。
ディカプリオの「レヴェナント」にも似てますな。
最後に出てくるエマニュエル・セニエは監督の友人ロマン・ポランスキー監督夫人。
長年の友人の嫁をちょっと借りたんでしょうか?

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早春 デジタルリマスター版

2018/07/08 - DVD/CDレンタル

冗長

現存する小津作品では最長だそうで、
「東京物語」から3年後に撮影された次作。
スランプだったのでしょうか?
この次の「東京暮色」も辛気臭い話ですけれど、
これも何だか陰鬱モヤモヤとした内容で、
それってタイトル「早春」のぼんやりした季節に因むからなんでしょうかね?
成瀬巳喜男監督の「めし」と同じストーリーなので、
パクリじゃないの?
無駄に長いです。

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男性・女性 HDニューマスター版

2018/07/07 - DVD/CDレンタル

1965年パリ

同じヌーヴェル・ヴァーグのアニエス・ヴァルダ監督「5時から7時までのクレオ」と同様の、
パリで生活する若者たちの生態を捉えたスケッチみたいな作品で、
1965年当時の世界的な政治状況や思想・哲学・文化を背景として、
出演者自身のモノローグ・インタビューも交えた実験的な映像と音のコラージュ。
ベトナム戦争が始まりボブ・ディランが登場し、
男女間で熱く議論しながらクラブに通いビリヤードやピンボールにも興ずる。
村上春樹原作の初期の小説群はゴダール監督の影響が強く感じられ、
特に登場する女性像はゴダール作品のヒロインと重なる。
同時代に都会で青春期を過ごしたインテリに共通する特有の価値観があるのかも。



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世界中がアイ・ラブ・ユー

2018/07/06 - DVD/CDレンタル

二都物語

ニューヨークとパリが舞台で、
春の花咲くニューヨークからストーリーが始まり、
それぞれの街で春夏秋冬の美しい四季の風景が描かれて、
クリスマスイヴのパリでエンディング。
ニューヨークに暮らすゴールディ・ホーン&アラン・アルダ夫妻と、
パリに暮らすゴールディ・ホーンの前夫ウディ・アレンとの交流で、
この離れて暮らす二組の間を、
ジュリア・ロバーツ、ドリュー・バリモア、エドワード・ノートン、
ナタリー・ポートマン、ティム・ロスといったスター達が行きかう。
人物構成が少し「ハンナとその姉妹」に似ており、
ミア・ファーローの役がゴールディ・ホーンに変わったような感じ。
このミア・ファーローとゴールディ・ホーン、
それにウディ・アレンの元恋人ダイアン・キートンは同世代のコメディエンヌで、
ほぼ同時期に登場し人気を博した。
その二人の女優と別れた後に今度はゴールディ・ホーンと初共演。
それからウディ・アレンがこのあとヨーロッパに拠点を移すので、
ウディ・アレンがパリ在住というのも、
ゴールディ・ホーン&アラン・アルダの暮らす住み慣れたニューヨークとの決別という図式も見える。
ミュージカルといっても本格的なものではなく、
みんな下手糞な鼻歌を口ずさんでいるだけで、
たいしたことはない。
最後のシーンはロジャース&アステアのパロディ。
まあ気軽に楽しめるコメディ映画。




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弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽

冒頭の主人公によるマリオネットを操るシーンで、
バルトークの「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」が流れます。
近代的な機能美と土着的な民族性を融合した前衛音楽が、
この摩訶不思議なストーリーの幕開けに相応しいのかはともかく、
意味深なモチーフが散りばめられているのは間違いありません。
この主人公であるジョン・キューザックのヘアスタイルや風貌はどこかキリストを彷彿とさせますし、
一緒に暮らしているキャメロン・ディアズは聖母マリア、
最後に女同士で子供を作るのも処女受胎で、
沢山の動物と暮らしているのはノアの箱舟。
そしてオフィスのある71/2階は神が七日間で天地創造をしたから。
社長一行はカルト教団のメンバーのようにも見え、
まあ他者を乗っ取る行為自体が宗教みたいなものなので、
そんなあたりも含めた捻ったコメディなのでしょうかね。

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