「刀剣乱舞-ONLINE-」の今があるのは、
プレイヤーである審神者の皆さまがゲームをはじめて、歴史を守る戦いを続けてくださったお陰です。
その感謝を込めて、審神者の皆さまにあたたかな光を届けられるような楽曲をーー
という依頼から、松任谷由実さんによる書き下ろし新主題歌「あなたと私と」は生まれました。

初めて楽曲を聴いた瞬間、「はじまりのうた」という歌詞から
希望の未来を切り開く「剣」の姿が浮かびました。
「そうだ、剣を作ってみよう」、そう思い立ってご相談したのが、宮入法廣刀匠です。
宮入さんには古来からある、陰陽剣という二振から成る形式が相応しいのではないかと助言いただき、
ぜひ、ということで制作が始まりました。

サービス開始五周年を記念した新主題歌のゲーム実装に合わせて剣をお披露目しようと進めていましたが、
2020年の春先、未知の疫病が世界に影を落とします。

幾度となく世界に危機が訪れた時、人々は刀剣に願いを託してきました。
ならば、今だからこそ、未来が切り開かれることを信じ、この剣に願いを込め奉納することが出来れば。
さらに宮入さんと検討を重ね、もう一振、特別な想いを込めた「奉献の剣」を作ることにしました。
また三振の剣に相応しい銘を決めるにあたっては、
日本文化に造詣が深いライターで永青文庫の副館長でもいらっしゃる橋本麻里さんにご相談しました。

その結果辿り着いたのが、宇宙を構成する三極になぞらえての「天」「地」「人」という言葉。
《陽の剣》には銘「天」、《陰の剣》には銘「地」、
そして奉納する《奉献の剣》には銘「人」に添えて「天長地久」と彫り込むことで、三振の剣は完成しました。
《奉献の剣》は、古代史上の謎のひとつ《七支刀》（国宝）が奉られている、石上神宮様に奉納となりました。
世界の人々の平和と健康を希求する想いとともに、
この剣が数百年、数千年と未来へ受け継がれていくことを願ってやみません。
《陰陽の剣》の二振もまた、末永く多くの皆様にご覧いただくことで、
平和と健康の祈りを受け、兄弟刀剣である《奉献の剣》へと願いを届けるものと信じております。
そして、審神者と刀剣男士が出会った「はじまり」を形にしたこの二振が、
審神者の皆様の日々の活力になりますように、感謝を込めて祈らせていただきます。

『刀剣乱舞-ONLINE-』原作プロデューサー　小坂崇氣（でじたろう）