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あした晴れるか

あした晴れるか
お気に入り登録数
2
収録時間
90分
出演者
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スタッフ
【企画】
坂上静翁
【原作】
菊村到(光文社版東京新聞連載)
【脚本】
池田一朗、中平康
【監督】
中平康
【撮影】
岩佐一泉
【照明】
藤林甲
【録音】
神谷正和
【美術】
松山崇
【編集】
辻井正則
【音楽】
黛敏郎
【助監督】
西村昭五郎
【製作主任】
亀井欽一
【スチール】
井本俊康
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ジャンル
平均評価
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秋葉原のヤッチャバ(東京青果市場)につとめる三杉排中のセリは、スカッ成した切れのよさで、男も惚れ惚れするほどの名調子。 しかし、写真大学を卒業した耕平にとって本職はカメラの方である。すでに、各他の写真コンクールにも入賞し、近作の市場を背景にした”ヤッチャバ”は野心的な異色作品として注目されている。 その耕平は、ある日、桜フイルムの宣伝部長、宇野から”東京探検”というテーマで仕事を依頼された。作品を宣伝に使用する代り、作品内容は自由だという。 「うちの新企画なんですよ。」得意然とする宇野は、さらに、排平の一切の面倒をみる川当として、宣伝部員の矢巻みはるを紹介した。 耕平は女に弱い。だが、宇野は「この矢巻君は、カメラもいじるし、筆も立つし、画ごころもあれば、歌も踊りもうまい。英語もペラペラだし、酒も強いし、車の運転もベテランですよ。」とさかんにすすめる。結局、みはるの巧妙な泣き落し戦術もあって、排平は無理矢理承諾するハメになった。 その夜、耕平は、もうひとりの思わぬ伏兵?にぶつかった。宇野とみはるに誘われて”ホブノブ”という銀座のバアに入ると、「あら、先日は……」と、いきなりひとりの女給が耕平に飛びついて来たのである。耕平は、その女給が、セツ子といって、つい二、三日前まで、ヤッチャバの近くの洋品店に勤めていたのを知っていた。そそっかしいセツ子は、もさっとした耕平を万引のベテランと感違いしたことがあったのだ。一方、逢った瞬間から耕平によろめいているみはるとしては、なれなれしいセツ子の態度に、心中おだやかではない。たちまち女同志の険悪な空気を察した耕平は、「ええと、ヤッチャバではね……胡瓜はカッパで、ナスは与一、カボチャはナンキンで、大根は役者……」と、とぼけた調子で、雰囲気を和らげようと大童わ。しかし、その効なしとみるや、耕平は、宇野に目くばせして、腰をあげた。ところが、そのために、耕平は思わぬ拾い物をした。路地裏で愚連隊にみはるが因縁をつけられたのだ。ニヤリと笑った耕平は、愚連隊の一人に横ビンタをくわせたみはるの勇敢な姿を素早く、カメラにパチリ。追いかける愚連隊を見事巻いて、別のバアで大いに気照をあげるのだった。 もっとも、みはるは、弟の昌一がその光景をみていて、顔見知りの愚連隊に仲裁に入ったのを知らなかった。しかも、島一は実際にはみはるの弟ではなく、いとことして心ひそかにみはるを愛していた。 翌朝、排平は目をさまして仰天した。何時の間にか、みはるの家に泊っているのだ。そのみはるには、しのぶという美しい姉がいた。未だ独身だが、前衛書道を教えているという。しのぶはこのところ、美容学を説く下田というおしゃれ学者に眩惑されていた。そこへ、朝帰りした昌一は、耕平をみると写真のネガを貰いたい といい出した。「そのネガがないと、おさまりがつかないんだ。」昌一は、みはるの身代りに殴られて興奮していた。だが耕平としても仕事だけに渡すわけにいかない。三人の間が気づまりになったとき、「あら、ごめんなさい」としのぶが無邪気な声をあげた。耕平のカメラを面白そうにいじっていたしのぶは、思わずカメラの裏蓋をあけてしまったのである。さすがに耕平はガックリとし、昌一も拍子抜けして苦笑した。 さて、その上から、新品の車、ニュー・コロナを提供されて、愈々、耕平の本格的な仕事が始まった。深川の不動尊、佃島の渡船場、田赤線地帯、野犬抑留場……みはるは一日中、傍につきながら、耕平の無心でたくましい仕事ぶりに感心してくるのだった。反対に耕平は、ときどきみはるが変なところに案内するので閉口した。植松クルミという女傑が経営するヴィナス・チャームスクールがそうである。水着姿の女性が股に半紙をはさんで、シャナリ、シャナリ歩いているかと思えば、別の教室では、接吻のポーズを研究しているといった妙チクリンの美容学校に、さすがの耕平も仰天した。 そんなある日、耕平はふとしたことで、セツ子の父親、清作と知り合った。清作はかってやくざだったが、いまは堅気になって行商の花屋をやっている。しかし、六年前のテイレのとき、親分の仇に、清作がビッコにした人斬り根津というのが、刑務所から出所して、復興の機会を狙っていた。そして、皮肉にもセツ子は、”ホブノブ"に現われた彼を人斬り根津とも知らず、父親の隠れ家を教えてしまった。昌一から急を聞いて、排平がかけつけたときは、危うく人斬り根津のために、清作もビッコにされる寸前だった。耕平は久しぶりに胸のすく大乱斗をみせ、大いに溜飲をさげた… ここ、桜フイルムのギャラリーは連日、黒山の人だかりである。耕平の次々と発表する”東京探検”作品展は、大変な反響と評判を呼んだ。その一隅では久しぶりに、耕平始め、みはる、しのぶ、セツ子、昌一、清作のなごやかな顔ぶれが集まっていた。そこへセ力セ力と姿を現わした宇野は「こんどはアフリカ探検を頼みますよ。”ジス・イズ・アフリカ"ってやつをね。」得意然といった。「へえッ!」耕平が返事をする前に、もうまわりでは、みはる、セツ子、昌一達が、勝手に歓声をあげて助手を希望した。まるで、蜂の巣を突っついた騒ぎである。下田との恐かな恋から目覚めたしのぶは、独り窓に向って落書をした。「昨日風吹き、今日は雨降り、明日晴れるか」そのしのぶのうるんだ瞳は困惑した耕平の限にぶつかると柔かな微笑に変った。 窓の向うには夕焼け空が静かにひときわ美しく広がっている……。

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