トリハダ-劇場版-

トリハダとはフジテレビとホリプロが共同制作をしているオムニバス式のショートホラードラマだが、一般的なホラーと比べ幾つもの禁止事項を設けている。

・幽霊は出ない
・超常現象は起きない
・音楽で恐怖を煽らない
・過度な演出はしない
・日常から逸脱しない

多少ホラーを見たことがあるなら誰しもが思いつく演出を使わないと公言しているのだ、つまりテクニックと演出のアイデアで勝負したいと言っているわけだ。

この試みはとても映画的な演出とも言える、説明的なセリフに頼らず映像の力と演技で表現し、空白の部分は見るものが埋めるということだ。

TVシリーズで様々なアイデアと挑戦を重ね、生まれた「トリハダ的な演出」の集大成的な作品となっている。
しかも、鬼才三木康一郎は、テレビシリーズでアイデアを出したにも関わらず、それを超えた作品に見事仕上げている。

しかし、作り手の気合が入りすぎた為、うわべだけで映画を見る力の無い多くの者が、空白の部分を埋めることが出来ず、怖いか怖くないかのみで判断してしまうためツマラナイと評価されているのが残念だ。

ただしこの現象が面白い事を生み出している、ほとんどの映画解説ブログで、この映画の衝撃的なラストの解釈を間違えているのだ。
気付いた時は間違いなくトリハダ物のこの作品、あなたは答えにたどり着くことが出来るだろうか？

DMMのレビューってアダルト作品は異常にレベルが高いのに、映画になると異常にレベル低いなって思っている人にはおすすめですよ。