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ジェットイズランドさん

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  • 丁寧に描かれたバトルシーンの良さは変わらず

    修羅の門の続編漫画だが、当該の漫画の大きな魅力であった緻密な戦闘描写は今回もそのまま引き継がれている。塩試合と言えるような試合が殆どないのも嬉しい。

    詳しいコメントは避けるが、無印版で伏線が張られていたキャラ(修行を経て急激に強くなっていたことが示唆されていた)が実質的なラスボスとして再登場した時はかつての読者にとっては感慨深いものがあったのではないかと思われる。

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  • 個性豊かな登場人物からなる名作バトル漫画

    各種戦闘シーンの良さは今更言うまでもない。
    味方敵を問わず登場人物が独自の魅力を持っており、本筋に絡まない脇役ですらしっかりとした存在感を持っているのがまた凄い。
    各キャラが過去からなる葛藤を持ち、他者との関わりを通じて精神的に成長していく過程がしっかりと描かれており、ネットミームと化した名セリフも非常に多い。

    完結してそれなりの年月が経っているにも関わらず高い人気を誇っているのも納得の作品。

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  • その時その時の感情がよく表れた詩の数々

    攻撃的な詩・自然人工を問わず何かの美を称えた詩・智恵子夫人についての詩など様々な詩が収録されているが、そのいずれからも作者の強がり・感嘆・悲痛さといった感情的な部分が滲み出ており、それぞれに味わい深さを感じることができる。
    口語体にこだわって書かれた詩のため、戦前の詩という一見取っつきにくい代物であるが現代人でも割と読みやすい部類に入る。

    なお、この詩集には太平洋戦争期の戦争詩は一切収録されていない。智恵子夫人が亡くなったことによる喪失感から目を背けるためにそのような詩に没頭した側面もありそれはそれで読む価値のある作品だろうが、戦争に文学的方面から加担したという批判を受ける恐れがあった事に加えて光太郎自身が引け目を感じていたため致し方ない措置だったように思う。

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  • 大まかなドラフト候補を手堅く扱った本

    2021年の主なドラフト候補を扱った雑誌であり、高森氏による有力投手(この号では山田龍聖)へのインタビューや蔵建て男氏らによるアマ野球ウォッチャーたちの座談会などエンタメ性に富んだ企画も豊富。

    指名された選手は今年が二年目ということもあり大ブレイクした選手をチェックするにはあまり向かない(現時点で一番の出世株である巨人の翁田大勢は全くというほど取り上げられていない)が、当時のドラフトを巡ったチーム事情などを学べるいい本。

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  • 90年代の世相を反映したかのようなごった煮エッセイ

    時事問題や由無し事について綴られたエッセイ集。何かの事件について真面目に語る回もあればネタに寄った回もあるなど内容は割と起伏に富んでいるが、そのいずれも起承転結がしっかりしており非常に読みやすい。
    また、第一巻から始まり回を経るごとに著者が段々と小説家として成功していっており、その流れをエッセイから辿る事ができるのも面白い所。

    自転車の駐輪違反を取られる回など2023年の世の中では物議を醸しそうな内容も含まれている。今となっては時代錯誤に思えるような意見も散見される。
    ある意味ではそれも1990年代の世相を映したものと言えるかもしれない。

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  • 清宮世代を中心とした2017ドラフトの総集号 

    世代の名を冠し大ブレイクの兆しを見せている清宮、ヤクルト不動の四番に成長した村上など所謂「清宮世代」が大きく取り上げられた2017年ドラフトの総まとめ的な本。野球太郎恒例?の識者による座談会やチーム別ドラフト評価などエンタメ要素も豊富。

    この年は清宮世代だけでなく田嶋や東など大社にも出世株が多く、ドラフトから5年というそれなりの年月が経過したこともあり「活躍している選手の前評判を探す」喜びはかなり高いものと思われる。
    2018年ドラフトの目玉になりそうな選手の紹介コーナーもあり、プロ野球好きにとってはかなり見ごたえのある本だと思う。

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  • ハートフルな話が多い短編集

    映画化もされた表題作をはじめとしたハートフルな短編が多く収録されている。キャッチコピーの「あなたに起こる、小さな奇跡」はこの本を上手く説明した名文だと思う。

    特に温かく切ないのが幼い頃に父親と生き別れた中年男を主人公にした角筈にてという短編。浅田氏は自らが体験した恐怖体験を元に作ったと述懐しているが、それを感じさせないような作風はさすがの一言。

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  • 良くも悪くも本格指向の食材

    これまでA級からC級まで幅広く美味いものを扱ってきた小泉教授だが、この本においてはほぼA級食材のみが扱われている。そういう点では若干敷居の高さを感じなくもない。

    出てくる食材はどれもこれも美味しそうであり教授特有の胃袋を刺激する文体も健在。巻末には本に登場する料理店の情報が羅列されているため、「それじゃあ実際に食べてみるか」という行動が起こしやすいのは嬉しい所だろうか。

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  • ゆるいけどゆるすぎない日常系四コマ

    女子高生(連載開始時は女子中学生)のゆるい日常を描いた漫画だが、定期的に少年期の悩み的な要素が挟まれていることである程度メリハリが利いた内容になっている。気軽に読めるけど中だるみもしないという点ではいい感じのバランスだと思う。

    回を進めるごとに主人公より主人公の彼氏のヒロイン度が上がっていくのはまあまあ珍しい点かもしれない。

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  • 一歩引いた視線でハムスターを見た良作動物漫画

    飼いハムスターの行動や仕草などが描かれたゆるい動物系漫画であり、単純に読んでいて楽しい。
    また、研究レポートと題名にあることもあり、目についての考察・雑食性など客観的な視点でハムスターの生態をとらえようとしている描写も存在する。飼う時の注意点についても度々触れられているため、ペットとして飼うことを検討している人向けでもある。

    それなりに昔の漫画ではあるが、今読んでも面白くためになる所も決して少なくない一冊。

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  • 絶倫食

    電子書籍

    実践用というよりは読み物として楽しむべき本

    ネバネバな食べ物・薬膳酒・珍妙な漢方薬など種々の強壮用食品・薬について書かれている。本当に効くのか怪しいものもちらほらあり、ビンビンになりたいご主人におすすめできるかどうかは割と微妙。

    小泉節が利いたユーモラスな文体で楽しく読み進められるということもあり、実践本として使うよりも雑学的要素を含む娯楽本として買うべきなのかもしれない。

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  • エロ漫画家としてのシビアさをコミカルに描いている

    女性エロ漫画家(成年漫画家)の主人公と周りの人々を描いた日常系漫画だが、ところどころにエロ漫画家のシビアな問題が出てくる。

    坐業が続くが故の腰痛・世間的需要と画風の葛藤など、リアルな悩みが赤裸々に描かれている(作者さん本人は「商業誌に」エロ漫画を描いていたわけではないみたいだが…)。
    と言ってもコミカルな作風故読んでいても重くなることはない。そういうものなのか、ふーん、といった感じにすらすら読めて面白いって感じの漫画となっている。

    テーマがテーマなためやや下品な描写も多いが、抵抗のない人にとっては新鮮で面白い作品なのではないかと。

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  • 粗削りさがかえっていい味を出している良インディーズアルバム

    インディーズ時代に出されたアルバムの復刻版であり、代表曲のMYGENERATIONやデビュー後に新録されたガラスの街・BADMORNINGなどが入っている。

    メジャーデビュー前ということもあって演奏・歌い方など粗削りな所が多いが、ストレートな歌詞が魅力のバンド故にその粗削りさがかえっていい味を出している。ある種のガムシャラさとでも言うべきだろうか。

    特筆すべきはこのアルバムにのみ収録されているNo-No-Boyであり、アップテンポでノリが良いものの少年期の切なさ・やるせなさが滲んだ良曲となっている。JUNSKYWALKER(S)のファンなら一度は聴いてみてほしい。

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  • ページ数の長さの割に読みやすい良作ミステリー

    個性的で癖の強い登場人物が織りなすストーリーは唯一無二のものであり、中盤から終盤にかけての怒涛の伏線回収は圧巻。

    やや長めのページ数だが読み進めるにあたって苦になることは少なく、何が起きるかわからないハラハラさせられる展開から一気読みしてしまうことの方が多いのではないかと思われる。

    「これがデビュー作なの?」と首を捻ってしまうほどよくできた作品。

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  • 結末が見えるのに最後まで読み進めてしまう罪作りな一冊

    詳しい内容は差し控えるが、一巻を呼んだ時点で二人がどのような結末を迎えるかは大体見えてしまう。見えてしまうのだが、だからと言って途中で読むことを止めてしまうことにはならない。一度読んでしまうと大体は最後まで見届けてしまうことになる。

    各キャラがどのような人間であるか・どんな考えで動いているのかという所がしっかり描かれており、心理描写が丁寧なことも相まって不器用な恋模様がどのように変遷していくのかが気になってしまう。キャラクターにしっかりとした魅力が感じられるのもキャラ設定がしっかりしているが為なのだろう。

    吸引力のある作りをしているが故に「どういう結末を迎えるのだろう」と読み進め、最後まで読み終えたところで「ああ、やっぱりか」となる。薄々わかっていても作品の終わりまで読んでしまいたくなる。良い意味でタチが悪い。

    また、この漫画は女性作者によって描かれた作品なのだが、どちらかというと男性読者が読むことを想定して描かれた感がある。そして男性読者が読んだ場合、読み終わった後の精神的なダメージが非常に大きい(少なくとも自分はそうだった)。
    大体の男性はこれを読んだ際に「多分俺が哲生の立場でも似たような結末を辿るだろうな」と思うはず。男性に限ったことではないが、ある程度の優柔不断さ・煮え切らなさといったところが人間にはあるものであり、そんな自分をキャラクターに照らし合わせて物語を読み進めていく。それ故に最後のオチで大きなダメージを受けることになる。

    紛れもなく良作と言える漫画なのだが、引き込ませる漫画であるが故の危険性もある。そういう点では極めて罪作りな作品なんじゃないかと思う。

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  • 文人悪妻

    電子書籍

    本当の意味での悪妻は案外少ない

    文人悪食に続いて文人の妻を扱った作品。

    この文人にはこの妻ありといった感じでピタリとはまった女性もいる一方で男に振り回された妻もいるなど多種多様な文人妻が紹介されている。
    嵐山氏特有の小気味良い文体で面白く読むことができるのだが、妻というものにフォーカスした内容故に氏の主観が悪食以上に強く出ている部分があり、人によっては鼻につくこともあるかもしれない。そういう意味では悪食よりも人を選ぶ内容と言えそう。

    個人的には高村光太郎の妻である長沼智恵子が出てこなかったのが残念だった。とはいえ統合失調症という難しいテーマに触れる必要があったため、あえてこの本では扱わないことにしたのかもしれない。

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  • 解散直前ということもあって寂し気な曲が多い

    97年にバンドが解散するその直前に出されたアルバムであり、シングルとしてリリースされた曲は愛しい人よの一曲だけとなっている。

    アニメタイアップ(エンジェル伝説)があった「転がる石のように」のようなテンポの良い曲も収録されているが、「愛しい人よ」・「バラバラ」・「よくある話」などの寂し気な曲の方が目立っている。中でも「よくある話」は陰りを過ぎた男の切なさが伝わってくるような良曲である。
    それ以外の特徴としては宮田の歌い方がこれまで以上に忌野清志郎を意識したようなものになっていることだろうか(nineの時からそうだったと言えなくもないが)。JUNSKYWALKER(S)が解散に至った大きな理由の一つはメンバー内でバンドの方向性をどうしていくかという議論がまとまらなかったことだが、歌い方にもそのような試行錯誤感が表れていたのかもしれない。

    ロックバンドとしてのJUNSKYWALKER(S)とはかけ離れたアルバムではあるものの、バンドが終焉を迎えようとしている中で各メンバーがもがきながら作り上げた曲には色々と感じ入ってしまうものがある。良盤・名盤とするのは難しいが、味わい深いアルバムではあると思う。

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  • 文人悪食

    電子書籍

    食嗜好から文人の人となりや人生を読み解く

    小説家・詩人・俳人・評論家など様々な明治~昭和期の文豪の食事が書かれており、そこからは文豪一人一人の嗜好はもちろん人生もうっすら透けて見える。

    神経質な性格が食生活にも表れていた泉鏡花・米だけでなく空腹という観念までもガツガツと貪り食った高村光太郎など、それぞれの文豪にそれぞれの個性的な食事があったということが文章を通じて読み手にひしひしと伝わってくる。特定の作家のファンの人なら余計に感じ入るものがあるのではないだろうか。

    作者の主観や推測が強く出すぎている部分もあるが、平易かつ読み応えのある本であり、文学作品に興味のない人でも楽しめる。昔の作品に触れる機会にもなりえるため、一度読んでみることをお勧めする。

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  • 患者の弱みが赤裸々に綴られた闘病漫画

    精巣腫瘍による闘病を綴ったルポタージュ系漫画。

    抗がん剤の副作用などがん治療のリアルというものがわかりやすく描かれている。他のがん患者さんとのコミカルなやり取りなどもあり重すぎて読めないという事はないが、基本的にシリアスな内容。真面目な漫画だけど重すぎないという所は良い塩梅なのかもしれない。

    また、奥さんについ当たり散らしてしまったりにおいの強い物を一切受け付けなくなった事がきっかけで他の患者さんなどから貰った食べ物を捨ててしまったりというコマが存在する。批判されそうな行為がそのまま赤裸々に漫画として記されている事も、ストレスの溜まる闘病生活のリアリティを読者に伝える要素なのかなと思う。

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  • 兵士一人一人にそれぞれの人生があったという忘れがちな事

    史実を題材に描かれた戦争漫画。

    激しい軍事衝突があったペリリュー島を舞台にしていることからその描写はなかなかに陰惨。極端にグロテスクな描写自体はそこまで多くはないが、洞窟の日本兵がアメリカ兵に火炎放射器で焼き殺されるコマなどは精神的にくるものがある。

    そのような殺し合いのシーンがある一方で、登場人物の過去や主観・趣味といった個人個人に焦点が当たるコマも多い。個人的にはこの漫画において重要なのはそこなのではないかと思う。

    過去に起こった戦争について調べる時、どれくらいの人が亡くなったか・戦争の原因は何かといった事に関する情報はすぐに出てくる。その一方で、個々人がどのような事を考えていたか・思っていたかといった事については意外と忘れられがちである。
    この漫画は史実を題材にしたフィクションであり、ある程度の脚色は当然加えられている。加えられているからこそ登場人物の苦しみ・憤り・恐怖心といった要素がキャラクター性というものに加えられる形で読者に伝わる。それに触れる事で戦争で苦しみ命を落とした人々に思いをはせるきっかけとなる。

    兵士というミクロ的観点から戦争をとらえるきっかけとしては意味のある一冊と言えるのではないだろうか。

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