レビュー情報

前作『Zwei!!』の良い部分を継承しつつも、コレクション要素や装備周り、アクションの単調さ等の不満点をしっかりと解消できている。
お話も、導入部の世界観の説明のくだりがじゃっかん長く感じる点はあるものの、作品全体を通してみるとスッキリとまとまっている。
シナリオも昨今のただ予想を裏切れば良いというだけの超展開のオンパレード作品を見ているからか、王道を真正面から往く本作にいっそ好感が持てる。
これは見方を変えればある程度展開の予想ができてしまう作品ということでもあるが、なんというかファンタジーもののRPGをプレイする人であればたまーに無性にやりたくなるようなそんな出来。
キャラグラ周りはトゥーンレンダリングを効かせたポリゴンで、頭身の関係上動きの演出時など多少粗い部分も見えるものの、アニメチックな外見が作品の世界観に合っている。
そして特筆したかったアクション周り。前作『Zwei!!』の不満点だった攻撃モーションの単調さも、魔法の種類や武器を随時変えられるシステムが入り装備デザインのバリエーション追加と併せて大幅に改善されている。それでもコマンドのシンプルさは失われておらず、比較的簡単な操作で殊の外奥深い戦闘が出来る。
BGMに関しては前作と同様良い曲揃いなのだが個人的には前作(PSP版ではなくPC版)の方が良かったという印象。それでもBGM単体で楽しめるレベルのクオリティだが。
ホントこういうのがやりたかったのよ。どれか一つの要素に全力投球するあまりそれ以外の部分が３流以下の出来に落ちたものではなく、平均的に良い出来で安定感のある面白さ。
アクションRPGが嫌いではなく、SSを見て抵抗感がないならやってみて損がない作品。値段分以上の価値はあると思う。